2017-02-08
ステイ/手織りの布のように
シンプルで自然な風合いにこだわったビアーカップをつくりました。きっかけは、ある布との出会いです。
ー 暮らしの中の手仕事
こちらがその布です。ラオスの少数民族の方が作ったもので、昔から自給自足の暮らしの中で作られてきたそうです。綿を植え、糸を紡ぎ、織り、藍で染め、ひと針ひと針丁寧に縫合わせた、時間の結晶のような布。
近代化が進む中で、このような手間のかかることを進んでする人は少なくなってきたそうですが、手仕事に魅せられた日本のH.P.E.というブランドが現地の人たちと協力し、今に残す活動をされています。
一見するとシンプル。
しかし、手に取ってみると一本一本の糸にまで表情があり、その風合いの豊かさに驚かされます。 堅牢でやわらかく、緻密でおおらか。 相反する要素もひとつに包みこんでしまう自然さと、 昔と今をつなぐような存在感。
この布をみたときに、素材は違いますが、焼き物で自分が欲しいうつわもこういうものだなぁと思いました。
ステイシリーズのビアーカップは、シンプルなデザインですが、色のつけ方にこだわっています。まず化粧土で色をつけ、その上を透明の釉薬で覆う二層にすることで、深い藍色とやわらかな白を表現しています。土の自然な風合いがいきた、飽きずにずっと使える雰囲気をめざしました。
また、焼き物のビアーカップやジョッキのよいところは “ 泡 ” がクリーミーに立てられること。
ぜひ一度味わってみてくださいね。
こんな景色の広がる三重県の山裾で作っています。
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